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あゝ、無常。『ナイルの娘』

あゝ、無常。『ナイルの娘』

主人公の少女はケンタッキーフライドチキンでバイトをしている。店内では中森明菜の「DESIRE」が流れ、少年たちは肩パッドがっつりのダブルのスーツを身にまとい、通信手段はゴツイ携帯電話やポケベル。80’sの雰囲気満載で、同じ頃の日本のバブルな空気が、本作の舞台である台湾にも色濃く充満している。 そんな80’sな空気感と、…
フラフラ歩きまわる様を楽しみましょう『さよなら、僕のマンハッタン』

フラフラ歩きまわる様を楽しみましょう『さよなら、僕のマンハッタン』

マーク・ウェブの出世作『(500)日のサマー』は、本作鑑賞後に観た。どちらも大好きな作品で、特に主人公の、朧気ながらやりたいことは見えているのにそこに一直線に進まない感じの描き方が好きだ。そういう、あっちにフラフラこっちにフラフラな人間に付き合う楽しさが、わたしにとってのマーク・ウェブ作品の醍醐味だ。 マンハッタンのダ…
た~まキュン!『素敵なダイナマイトスキャンダル』

た~まキュン!『素敵なダイナマイトスキャンダル』

(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会 末井昭が発行したエロ雑誌は、そのエロからはみ出たありようが当時のサブカルの隆盛を物語る器としてよく引き合いに出される。そういう記事をちょいちょい目にしていたわたしは、末井昭という伝説的エロ雑誌編集長がいることを知ってはいた。が、鮮明に記憶しているのは、パチンコ…
さようなら、ハリー・ディーン・スタントン。『ラッキー』

さようなら、ハリー・ディーン・スタントン。『ラッキー』

(c)2016 FILM TROOPE, LLC All Rights Reserved 鏡の前に立ち、歯を磨くラッキー(ハリー・ディーン・スタントン)の乳首が垂れ下がった骨と皮だけのボディのクローズアップという、ある意味衝撃的なオープニングで本作は始まる。これからいったい何を観させられるのだろうとドキドキするが、ラッ…
暴力に抗う少女の決意『花咲くころ』

暴力に抗う少女の決意『花咲くころ』

(c)Indiz Film UG, Polare Film LLC, Arizona Productions 2013 1992年の春、ジョージア(旧グルジア)。 当時、ジョージアはソ連から独立を果たしたものの内戦状態で、市民は耐乏生活を強いられていた。パンは配給の長い列に並ばないと得ることはできず、電気とガスの供給は…
「上がり」は見えないが、それがどうした。『苦い銭』

「上がり」は見えないが、それがどうした。『苦い銭』

(c)2016 Gladys Glover-House on Fire-Chinese Shadows-WIL Productions 『苦い銭』は、子供服の中国最大の産地として知られる浙江省湖州市の縫製工場を主な舞台に描かれるドキュメンタリーである。 15歳の少女小敏(シャオミン)が、雲南省(中国で最も貧しい地域のひ…
プロフェッショナルからもたらされる希望『否定と肯定』

プロフェッショナルからもたらされる希望『否定と肯定』

(C) DENIAL FILM, LLC AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2016 法廷モノの面白さはどこにあるんだろうと考えていた。舞台となる空間が法廷とそれ以外の2つがくっきりと分かれている。そのため登場人物たちの性格を多方面から見ることができるので、人物造形の密度が高く、…
『皆殺しの天使』クリティカル・ライティングバーション

『皆殺しの天使』クリティカル・ライティングバーション

(c)1991 Video Mercury Film 本作は、先日まで参加していたイメージフォーラム主催のクリティカル・ライティング講座の課題作でもありました。 本作のレビューは既に上げていますが、講座用に書いた下記の原稿もアップします。 単なる自分の読み比べ用ですが、お暇でしたら両方読んでいただけたら嬉しいです。 □…
五体投地を育む日常『ラサへの歩き方 ~祈りの2400km』

五体投地を育む日常『ラサへの歩き方 ~祈りの2400km』

チベット自治区、マルカム県プラ村での村人たちの暮らしぶりが繊細に映しとられる。 薪を燃やす炎のやわらかな光。ヤクの改良種「ゾ」を解体する道具を洗う時に沸き立つ湯気。大麦を炒って粉末状にした「ツァンパ」を器用に手でこねながら和やかに団欒する人々。道端にみっしりと積まれた薪の山… 東京で目にしている日常とまったくかけ離れた…
「Kana」が選ぶ、2017年映画ベスト10

「Kana」が選ぶ、2017年映画ベスト10

遅くなりましたが、半期ごとの恒例になってきたベスト企画。こうやって定期的に観た映画を振り返ってあれやこれや考えるのも楽しいものです。 それでは、さっそく「Kana」の2017年ベスト10をご紹介します。今回は劇場で鑑賞した作品5つと映画祭で鑑賞した作品5つといった形で選んでみました。 劇場で鑑賞した作品ベスト5 第5位…
理解不要。予期せぬものを迎える幸せ。『皆殺しの天使』

理解不要。予期せぬものを迎える幸せ。『皆殺しの天使』

(c)1991 Video Mercury Film 晩餐会で一晩を明かした後、屋敷から出られなくなってしまう人々。 すべての登場人物から、「出る」という概念がすっぽりと抜け落ちてしまっている(屋敷の外にいる警官たちも、彼らを助けに屋敷に「入る」ことができない)。なぜかはわからない。しかし現実に人々は出れない(入れない…
kiki が選ぶ 2017 年ベスト 10

kiki が選ぶ 2017 年ベスト 10

なんだか今更になってしまったけれど、2017年のベストを選びました。 上半期は頑張って観た映画について書いたけれど、下半期はかなり滞ってしまった。その代わり映画祭へは足繁く通っていたわけだが。 劇場で鑑賞したのは139本、家で鑑賞したのも含めた総数だと156本。 実は今まであまり劇場で鑑賞していなかったので、人生で最多…
映画との再会『100人の子供たちが列車を待っている』

映画との再会『100人の子供たちが列車を待っている』

教会を捉えたクレーン撮影と音楽に、トリュフォーの『アメリカの夜』の冒頭を思い起こしてワクワク。 教会の前の土埃が舞いそうな乾燥した道や、映画に目を輝かせる子供たちを目の当たりにして、『ミツバチのささやき』の記憶も甦ってきて鼻の奥がツンときちゃったり… しょっぱなから、心の中にしまってある映画の記憶を詰め込んだ箱をつつか…
「poco」が選ぶ、2017年ベスト10

「poco」が選ぶ、2017年ベスト10

©2016CTMG あけましておめでとうございます。本年よろしくお願い申し上げます。 pocoです。 さて、昨年劇場で見た作品(257本)の中から選んだベスト10です。 邦画に数本見逃した作品があった為か、結果ほとんど洋画になってしまいました。 次点作も鑑賞順に加えました。新宿ピカデリーもよく行ってましたが、何故かラン…
「とら猫 aka BadCats」が選ぶ2017年ベスト10

「とら猫 aka BadCats」が選ぶ2017年ベスト10

最近の楽しみは近所のシネコンのレイトショーで、ガラガラの客席をほぼほぼ独占しながら、ビールを飲みつつ映画を鑑賞すること。おかげですっかりビールを飲むために映画館へ行っているような、そこが居酒屋であるかのように錯覚してしまい、はて、どうしたものかと思案しているとら猫です。要するにまあ、ビール美味い。 それはさておき、嬉し…
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