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青春

た~まキュン!『素敵なダイナマイトスキャンダル』

た~まキュン!『素敵なダイナマイトスキャンダル』

(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会 末井昭が発行したエロ雑誌は、そのエロからはみ出たありようが当時のサブカルの隆盛を物語る器としてよく引き合いに出される。そういう記事をちょいちょい目にしていたわたしは、末井昭という伝説的エロ雑誌編集長がいることを知ってはいた。が、鮮明に記憶しているのは、パチンコ...

暴力に抗う少女の決意『花咲くころ』

暴力に抗う少女の決意『花咲くころ』

(c)Indiz Film UG, Polare Film LLC, Arizona Productions 2013 1992年の春、ジョージア(旧グルジア)。 当時、ジョージアはソ連から独立を果たしたものの内戦状態で、市民は耐乏生活を強いられていた。パンは配給の長い列に並ばないと得ることはできず、電気とガスの供給は...

異界の隙間を満たすピアノの音色と風『タレンタイム~優しい歌』

異界の隙間を満たすピアノの音色と風『タレンタイム~優しい歌』

(C)Primeworks Studios Sdn Bhd まるまる1ヵ月以上レビューを書いておらず、先月11月はついに1本も上げることができなかった。上映会の準備で忙しかったというのはただの言い訳にすぎないが、いよいよ今週末、『タレンタイム~優しい歌』の上映会を開催する。 人種の坩堝であるマレーシアを舞台に描かれる本...

人に話したくなるイタリア映画祭2017『ジュリアの世界』『夜よ、こんにちは』

人に話したくなるイタリア映画祭2017『ジュリアの世界』『夜よ、こんにちは』

イタリア映画祭2017、気軽な気持ちで行ったにもかかわらず、感情を揺さぶられ涙腺ゆるゆるでした。選んだ作品が琴線に触れたのか、5月という季節が感情的にさせたのかわからないけれど。 『ジュリアの世界』 「エホバの証人」信者一家の長女ジュリアが信仰や家族との関わり、恋愛を通して人生に向き合っていく物語。 自由があるからこそ...

ひと夏の輝き『20センチュリー・ウーマン』

ひと夏の輝き『20センチュリー・ウーマン』

(C)2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 1979年、夏。 冒頭の海岸の俯瞰ショットが美しいサンタバーバラ。 のんびりと風が流れるカリフォルニアの地方都市にも、当時隆盛を誇ったパンクの轟音が響き渡っている。 1924年生まれのドロシアは、設計士として自立しているシ...

壊れない壁『マイ・ビューティフル・ガーデン』

壊れない壁『マイ・ビューティフル・ガーデン』

(C)This Beautiful Fantastic UK Ltd 2016 本作の主人公ベラは、自分固有の秩序を守って暮らしている。 自ら作り上げた秩序に暮らす人というと、『シンプル・シモン』の主人公シモンが思い出される。 彼がアスペルガー症候群というのがあるにせよその秩序は多分に原理主義的であり、まるで要塞のよう...

≪パンパンパンパン≫!インド映画に恋した日『若さは向こう見ず』

≪パンパンパンパン≫!インド映画に恋した日『若さは向こう見ず』

画像出典元:https://en.wikipedia.org/wiki/Yeh_Jawaani_Hai_Deewani その日、私はインド映画に恋をしました。 2015年10月2日、キネカ大森にて『若さは向こう見ず』のマサラ上映に参加。終始心が弾みっぱなしの、あっという間の2時間半でございました。 マサラ上映に関しまし...

すがりつけ!あがけ!駆け抜けろ!『移動映画館』

すがりつけ!あがけ!駆け抜けろ!『移動映画館』

かつてインド中に存在した移動映画館。 時は過ぎ、経済発展と技術革新によって没落産業となり、現在はただマハーラーシュトラ州に48館あるに過ぎない。しかし、そこで生きる人々の生き様を描く『移動映画館』は、関わる人々のギラギラとした生き様を活写する。 短髪でガタイのいい男勝りのチャンディ姉さんと弟のバビヤは、巡礼祭に設置され...

痛すぎる女の行動に共感できますか?『緑の光線』

痛すぎる女の行動に共感できますか?『緑の光線』

「フランス女は気が強い」フランスをよく知る人がそう言っていた。そしてその人はこうも言った、「いい大人になっても内気で人見知りな態度はフランスでは恥ずべきことだ。しかし、この『緑の光線』の主人公はめちゃめちゃ内気でうじうじした女である。」その言葉を聞いて、これは私こそ観なければならない映画だと思った。というのも、物心がつ...

避暑地にて。揺れる波紋『ほとりの朔子』

避暑地にて。揺れる波紋『ほとりの朔子』

(C)sakuko film partners 「海辺を男の子と女の子が歩いている。ただそれだけで、スクリーンが息づき満たされるような、そんな映画を作りたい ~中略~ ただ人が歩き、話し、誰かとすれ違っていく。そのすれ違った後に残された景色に、何か見る者の記憶に触れるような余韻を残せればと思う」 これは脚本が完成する前...

享楽スパイラル『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』

享楽スパイラル『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』

(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. 本作に先立って『スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイド』を観た。たまたまだが。 哲学者スラヴォイ・ジジェクが、数々の有名映画の一場面を引用しながら持論を展開(関係ないけど、スポーツ選手や芸能人...

胸キュンがなくても感動できる『君の名は。』

胸キュンがなくても感動できる『君の名は。』

(C)2016「君の名は。」製作委員会 ついに『君の名は。』を観た。10月にしてやっとだけど。既に観た人によると、『君の名は。』を上映する劇場は学生や20代の若いカップルで溢れているとのこと。色々な意味で”切なく”なるぞと脅しの文句まで投げかけられ、単身でぽっと映画館に乗り込むには勇気が出ず、ずっと躊躇していた。しかし...

青い時間。おしゃべり『レネットとミラベル/四つの冒険』

青い時間。おしゃべり『レネットとミラベル/四つの冒険』

©Les Films du Losange/C.E.R 仙台にある実家から歩いて15分のところに「フォーラム仙台」という映画館がある。 本作は、帰省している折にその映画館に部屋着のままふらっと観に行ったものであるが、そういう感じで観るのに相応しい「軽やかさ」を身にまとった作品だ。 『緑の光線』を撮り終えた直後、編集もそ...

胸キュンの回転寿司へようこそ『君の名は。』

胸キュンの回転寿司へようこそ『君の名は。』

(C)2016「君の名は。」製作委員会 映画の観方として。 私は原則的に、映画というものに「胸キュン」を求めない。なので映画を鑑賞中に胸キュンが始まったら、感受性のスイッチを切って無心になるか、目をつぶって視覚的に胸キュンを排除し、胸キュンの影響を受けないようこれ努める。 実のところ、多くの映画において胸キュンは作品を...

暗い部屋と一人の女優に見るパーソナルな時空『無伴奏』

暗い部屋と一人の女優に見るパーソナルな時空『無伴奏』

(C)2015 「無伴奏」製作委員会 ただ暗くて見づらい画面と、コントラストを抑えて薄暗さを積極的に表現しようとする違い。 すなわちローキーで徹底的に行こうという意思を感じる『無伴奏』は、「あの時代」の空気感をよく表している作品だ。 といっても僕は1967年生まれなので、1970年代初頭に急速に収束した学生運動の時代の...

大学という私の脳内の幻想の楽園『カミュなんて知らない』

大学という私の脳内の幻想の楽園『カミュなんて知らない』

冒頭の長回しが印象的な名作といえば、『黒い罠』『ザ・プレイヤー』『ハロウィン』などが挙げられると思うが、『カミュなんて知らない』の導入はそれらに匹敵する出来栄えである。 手持ちカメラが舞台となる立教大学のキャンパスを流麗に動き回った後、クレーンに据え付けられて学生たちのダンスをぶら~んぶら~んと浮遊しながら映しとる。こ...

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