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どうしてお腹が減るのかな『グリーン・インフェルノ』

どうしてお腹が減るのかな『グリーン・インフェルノ』

食うか、食われるか。 人間に限らず生き物はすべからく、他者の命を奪って生きている。生きるためには何かを殺すしかないわけで、食べるとは本来的に罪深い行為であると言えよう。 『グリーン・インフェルノ』で描かれるのは、未開のジャングルの奥地に暮らすヤハ族の心温まる食事風景だ。彼らはパンツ一丁で全身赤塗りという、試合そっちのけ...

二度と戻らぬ少女を映画に刻む『天使が消えた街』

二度と戻らぬ少女を映画に刻む『天使が消えた街』

”映画作りに苦悩する映画監督”の映画である。 同じ題材で真っ先に頭に浮かぶのが、フランソワ・トリュフォーの「アメリカの夜」。 撮影現場の混乱と活気を描いた、映画作りは大変だけど、”それでも映画を作り続ける”という力強い映画愛に満ちた作品だ。 「天使が消えた街」はそれとはまったく趣が異なる。 主人公の映画監督トーマスは、...

この“それ”は感染るんです『イット・フォローズ』

この“それ”は感染るんです『イット・フォローズ』

人間が感じる恐怖は千差万別だ。 ナイフや銃を突き付けられるという物理的な恐怖に始まり、暗闇に対する漠然とした恐怖、仕事や恋人を失いたくないという現実的な恐怖。 『イット・フォローズ』で描かれるのは追われる恐怖だ。と言っても、ヤク中の借金取りや、般若心経を諳んじるモヒカン頭のパンクロッカーに追われるわけではない。それはそ...

不意打ちのショックと感動。『母と暮せば』

不意打ちのショックと感動。『母と暮せば』

(C)2015「母と暮せば」製作委員会 衝撃作である。 序盤と終盤にとんでもないショックが用意されている。 「母と暮せば」は、細やかな日常描写の積み重ねによって描かれる「具」が、序盤と終盤の衝撃という「生地」に挟まれたサンドウィッチのような作品だ。 まず序盤。長崎における原爆投下シーン。 古今東西、映画の中ではさまざま...

「うたたねむにゃたろう」が選ぶ『2015年劇場公開作ベスト10』

「うたたねむにゃたろう」が選ぶ『2015年劇場公開作ベスト10』

今年は映画的に非常に充実した1年を過ごしましたが、劇場鑑賞という意味では後半急激に失速してしまったむにゃたろうです。。 なので、「うたたねむにゃたろう的ベスト10」は、ほぼ上半期(1〜6月)からの選出となりました。夏興行も秋の映画祭ラッシュも全然行けなかったけど(泣)それでも194本(短編含む)から2015年心に残る1...

rinkoの選ぶ『2015年公開作ベスト10』

rinkoの選ぶ『2015年公開作ベスト10』

1位:『タレンタイム』@マレーシア映画ウィーク<旧作:2009年>(ヤスミン・アフマド) 映画館でこんなに泣いたの初めて!っていう位ボロボロ泣きました。主人公の一途な思いに心をわしづかみされて、暫くヤスミンワールドにどっぷり浸ってました。2016年公開予定。超オススメです。 2位:『銃弾の饗宴 ラームとリー...

「昭和モダ子」が選ぶ『2015年劇場公開作ベスト10』

「昭和モダ子」が選ぶ『2015年劇場公開作ベスト10』

第1位 『恋人たち』(橋口亮輔) 描かれるのは日常。なのに,心臓がえぐられるくらいの苦しみまで体験できる映画。 1位はもうこれしかないです。 苦しみの先にあるものを知りたい方に。 第2位 『ルック・オブ・サイレンス』(ジョシュア・オッペンハイマー) 人間とはかくも自分の罪に向き合えないものか。 大量虐殺の裏にある「責任...

「愛してる」を言いたくて『モーツァルトとクジラ』

「愛してる」を言いたくて『モーツァルトとクジラ』

© movpins 題名である『モーツァルトとクジラ』とは、ハロウィンで仮装をした主人公ドナルド(ジョシュ・ハートネット)とイザベル(ラダ・ミッチェル)のことを表す。 「いつだって僕はパレードの傍観者なんだよ」 ハロウィンの夜。煌びやかに打ちあがる花火や、手をつなぐ恋人たち。そのような風景を背に、俯きながら主人公のドナ...

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