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大学という私の脳内の幻想の楽園『カミュなんて知らない』

大学という私の脳内の幻想の楽園『カミュなんて知らない』

冒頭の長回しが印象的な名作といえば、『黒い罠』『ザ・プレイヤー』『ハロウィン』などが挙げられると思うが、『カミュなんて知らない』の導入はそれらに匹敵する出来栄えである。 手持ちカメラが舞台となる立教大学のキャンパスを流麗に動き回った後、クレーンに据え付けられて学生たちのダンスをぶら~んぶら~んと浮遊しながら映しとる。こ...

山道で遭遇するイケメンにはご注意『サバイバル・ドライブ』

山道で遭遇するイケメンにはご注意『サバイバル・ドライブ』

つかみはオッケー。 じゃないけれど、玉石混交はなはだしいホラーの銀河を長いこと漂流しているうちに、今では冒頭の5分くらい見れば、その作品のあり/なしを見抜けるようになった。 『サバイバル・ドライブ』は元々、近所の某ツタヤで5枚借りるとお安くなるというキャンペーンを展開していて、お目当ての映画と一緒に数合わせのためだけに...

暴力の応酬を直視して炙り出されるもの『殺されたミンジュ』

暴力の応酬を直視して炙り出されるもの『殺されたミンジュ』

(C)2014 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved. ミンジュは冒頭に殺される女子学生の名前だが、韓国語では民主主義という意味があるそうだ。 が、そういう観念と結びつけて映画を語るとさももっともらしい語りになるので、それはしません。 というかできません。 僕にとっての『殺されたミン...

喜びを得るという罪『ブラック・フィッシュ』

喜びを得るという罪『ブラック・フィッシュ』

シャチが好きだ。 流線型の美しいフォルムに白と黒の鮮やかなツートンカラー。人間並みに感情豊かで、家族や仲間を大切にし、群れごとに言語を持ち、いざとなればホワイトシャークすらねじ伏せる。 仕事に倦んだときなどは、シャチが大海を優雅に泳ぎ回る映像を観ているだけで癒されるし、もちろんかの海洋動物パニックの名作『オルカ』も何回...

自分の物差しで勝手に愉しもう!『女が眠る時』

自分の物差しで勝手に愉しもう!『女が眠る時』

僕が大好きな「ロスト・イン・トランスレーション」と同じくホテル滞在ムービー。ラストが都市の雑踏というのも同じだ。 僕は本作を「ロスト~」と同様心ゆくまで堪能した。 巷では”難解”との評判を聞く。 そりゃそうだろう。ほぼ全編、スランプに陥った作家の、想像力と書く活力を得るための妄想のシーンなのだから((注)館長解釈)。マ...

史上もっともワイルドな映画『ロアー』

史上もっともワイルドな映画『ロアー』

唯一無二。 今や常套句として使われすぎてその価値を失っている形容詞だが、1981年製作の幻の動物アドベンチャー『ロアー』は掛け値なしの「唯一無二」の映画だ。 だって真似できないもの。誰にも。 こうした動物映画では通常、動物たちを人間の意図に合わせて演じさせることに骨を折るケースが多いが、『ロアー』の場合、そもそも動物た...

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