映画と共に生きる映画『春原さんのうた』
(C)Genuine Light Pictures 橋と川を捉えたファーストカット。次いでカフェの窓ごしの景色。風通しのいい画だなあと思って見ていたら以後ホントに風を感じ続けた。風が画面にちゃんと映っていた。 画に着目したのは最初の数カットだけである。以後、映画を観る、というスタンスでなく、自分も映画の中の人たちにも混...
(C)Genuine Light Pictures 橋と川を捉えたファーストカット。次いでカフェの窓ごしの景色。風通しのいい画だなあと思って見ていたら以後ホントに風を感じ続けた。風が画面にちゃんと映っていた。 画に着目したのは最初の数カットだけである。以後、映画を観る、というスタンスでなく、自分も映画の中の人たちにも混...
(C)Netflix映画「シカゴ7裁判」2020年10月16日(金)より独占配信 昨年2020年は専門家と言われる人たちの予測や予想が注目されることが増えました。そして年が明けても引き続いているようです。新型感染症の件は多くの専門家がマスコミに登場、超文系人間の自分には理系や医系の専門家の説明を検証するのはムリと思って...
(C)37Seconds filmpartners 2019年の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(監督:ポン・ジュノ)は第92回のアカデミー賞を席巻し、第72回カンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞から続く勢いで世の中の潮流の変化が表われています。ただ、今の日本映画がそこに続くとは単純に思えません。輝きはあっても単発...
(c)2019松竹株式会社 1969年の第1作劇場公開から50年、1997年以来22年ぶりの製作となった「男はつらいよ」シリーズ最新作。 本シリーズにおいて発揮される監督の山田洋次の作家性は、市井の人々の生活を直截に描く小市民喜劇といったところであろうか。そういうイメージで臨むと、冒頭の満男の夢(初恋の人・泉への苦悶...
(C)2019「さよならくちびる」製作委員会 日常生活でも、ちょっとしたことで前向きになったり後ろ向きになったりすることがあるように映画やドラマを見ていてどうにも、モヤモヤすることがあったとき、セリフ1つでそのモヤモヤが吹っ飛ぶことは間々あります。それがわかった時の気分の良さや爽快感も楽しさの1つだったりします。 ...
(c)2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC イーストウッドの新作。予告編は何やら重々しいし、前作『15時17分、パリ行き』であんなこと(出演者全...
(C)1934 Gaumont 若くして肺結核を患い、ジャン・ヴィゴが29年の短い生涯で撮った映画はわずか4本。ドキュメンタリー2本を経て初めて撮られた中編劇映画が本作である。 対独協力の汚名を着せられ、34歳の若さで獄中死した父の死後、本名を名乗ることもできずに耐え忍んだ少年期の苦難が、子どもをめぐる本作を撮り上げる...
(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER 時は、開国か否かで日本中が大きく揺れ動いている江戸時代末期。 江戸近郊の農村で、農家の手伝いで糊口をしのぐ浪人杢之進(池松壮亮)は、隣人の農家の娘ゆう(蒼井優)の弟・市助に毎日木刀で剣の稽古をつけている。 真っ赤な鉄の塊を金槌で打ちつける刀の精...
(C)3H Productions Ltd 車がエンストする。車のガラスが大きい。フロントガラスが寝てなくて立っている。そのことによって得られる広い視界。カメラが、車から出て携帯で話し始める男性を車内から捉える。視界良好。しかし男が車でどこに向かっていたのか、いま誰とどういう連絡をとっているかは示されない。男は地下鉄に...
(C)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED. 『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』の監督の作品です。3人の子育てで鬱気味になった女性が兄のすすめで家に頼んだ、「ナイトシッター」、夜に子供の面倒を見てくれるベビーシッター、との出会いから生活が変化していく話...
(c)Plasir/Film Bandit 冒頭、花のクローズアップ写真が次々に映し出される。 とある女から写真家が撮影の依頼を受ける。「何も訊かないこと」「ネガをもらうこと」を条件に。 写真家は、女の車で山梨県内の山荘に連れて行かれる。 女は言う。「ここを撮ってください」。下着を脱いだ彼女は自らの股間を指さしている。...
(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro. かつてドラマ「北の国から 2002遺言」(脚本:倉本聰)で黒板五郎(演:田中邦衛)が廃材や不要とされたゴミとされた物を集めて「拾ってきた家」を作りましたが、この家族はまさに「拾ってきた家族」。利用価値がないと見離された資材の様に、ないがしろにされ社会の見えない...
(C)2018『万引き家族』製作委員会 父と息子(でないことは後々明らかになるのだが)がスーパーで買い物をしている。何の変哲もない日常を切り取ったような場面が実は万引きをしているところだと知らされ、この物語は始まる。 邦洋を問わず、疑似家族を描いた映画が目白押しだ。本作を観た同じ日に『デッドプール2』を観たが、これも疑...
(c)2017 NON-STOP PRODUCTIONS – WHY NOT PRODUCTIONS 冠雪した無人の森。曲がりくねった川。静かで動くものが何もない風景の中で唯一水鳥がスーっと川を横切っていく。 冒頭の風景描写で、一気に映画の世界に持っていかれた。そしてこのどんよりと曇って寒そうな風景に、根拠...
主人公の少女はケンタッキーフライドチキンでバイトをしている。店内では中森明菜の「DESIRE」が流れ、少年たちは肩パッドがっつりのダブルのスーツを身にまとい、通信手段はゴツイ携帯電話やポケベル。80’sの雰囲気満載で、同じ頃の日本のバブルな空気が、本作の舞台である台湾にも色濃く充満している。 そんな80’sな空気感と、...
(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会 末井昭が発行したエロ雑誌は、そのエロからはみ出たありようが当時のサブカルの隆盛を物語る器としてよく引き合いに出される。そういう記事をちょいちょい目にしていたわたしは、末井昭という伝説的エロ雑誌編集長がいることを知ってはいた。が、鮮明に記憶しているのは、パチンコ...