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ヒューマン

おめでとう!『万引き家族』

おめでとう!『万引き家族』

(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.  かつてドラマ「北の国から 2002遺言」(脚本:倉本聰)で黒板五郎(演:田中邦衛)が廃材や不要とされたゴミとされた物を集めて「拾ってきた家」を作りましたが、この家族はまさに「拾ってきた家族」。利用価値がないと見離された資材の様に、ないがしろにされ社会の見えない...

疑似家族をめぐって『万引き家族』

疑似家族をめぐって『万引き家族』

(C)2018『万引き家族』製作委員会 父と息子(でないことは後々明らかになるのだが)がスーパーで買い物をしている。何の変哲もない日常を切り取ったような場面が実は万引きをしているところだと知らされ、この物語は始まる。 邦洋を問わず、疑似家族を描いた映画が目白押しだ。本作を観た同じ日に『デッドプール2』を観たが、これも疑...

あゝ、無常。『ラブレス』

あゝ、無常。『ラブレス』

(c)2017 NON-STOP PRODUCTIONS – WHY NOT PRODUCTIONS 冠雪した無人の森。曲がりくねった川。静かで動くものが何もない風景の中で唯一水鳥がスーっと川を横切っていく。 冒頭の風景描写で、一気に映画の世界に持っていかれた。そしてこのどんよりと曇って寒そうな風景に、根拠...

あゝ、無常。『ナイルの娘』

あゝ、無常。『ナイルの娘』

主人公の少女はケンタッキーフライドチキンでバイトをしている。店内では中森明菜の「DESIRE」が流れ、少年たちは肩パッドがっつりのダブルのスーツを身にまとい、通信手段はゴツイ携帯電話やポケベル。80’sの雰囲気満載で、同じ頃の日本のバブルな空気が、本作の舞台である台湾にも色濃く充満している。 そんな80’sな空気感と、...

た~まキュン!『素敵なダイナマイトスキャンダル』

た~まキュン!『素敵なダイナマイトスキャンダル』

(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会 末井昭が発行したエロ雑誌は、そのエロからはみ出たありようが当時のサブカルの隆盛を物語る器としてよく引き合いに出される。そういう記事をちょいちょい目にしていたわたしは、末井昭という伝説的エロ雑誌編集長がいることを知ってはいた。が、鮮明に記憶しているのは、パチンコ...

さようなら、ハリー・ディーン・スタントン。『ラッキー』

さようなら、ハリー・ディーン・スタントン。『ラッキー』

(c)2016 FILM TROOPE, LLC All Rights Reserved 鏡の前に立ち、歯を磨くラッキー(ハリー・ディーン・スタントン)の乳首が垂れ下がった骨と皮だけのボディのクローズアップという、ある意味衝撃的なオープニングで本作は始まる。これからいったい何を観させられるのだろうとドキドキするが、ラッ...

暴力に抗う少女の決意『花咲くころ』

暴力に抗う少女の決意『花咲くころ』

(c)Indiz Film UG, Polare Film LLC, Arizona Productions 2013 1992年の春、ジョージア(旧グルジア)。 当時、ジョージアはソ連から独立を果たしたものの内戦状態で、市民は耐乏生活を強いられていた。パンは配給の長い列に並ばないと得ることはできず、電気とガスの供給は...

五体投地を育む日常『ラサへの歩き方 ~祈りの2400km』

五体投地を育む日常『ラサへの歩き方 ~祈りの2400km』

チベット自治区、マルカム県プラ村での村人たちの暮らしぶりが繊細に映しとられる。 薪を燃やす炎のやわらかな光。ヤクの改良種「ゾ」を解体する道具を洗う時に沸き立つ湯気。大麦を炒って粉末状にした「ツァンパ」を器用に手でこねながら和やかに団欒する人々。道端にみっしりと積まれた薪の山… 東京で目にしている日常とまったくかけ離れた...

Synchronicity(シンクロニシティ) 『ギフテッド』

Synchronicity(シンクロニシティ) 『ギフテッド』

(C)2017 Twentieth Century Fox 最近はテレビ朝日で「シルバータイム」と銘うち、昼の12時半から正味1話15分の帯ドラマを放映しています。1作目は2017年4月~9月の『やすらぎの郷』(脚本:倉本聰)でした。そして第2弾が『トットちゃん!』(脚本:大石静)(2017年10月~12月)です。あの...

異界の隙間を満たすピアノの音色と風『タレンタイム~優しい歌』

異界の隙間を満たすピアノの音色と風『タレンタイム~優しい歌』

(C)Primeworks Studios Sdn Bhd まるまる1ヵ月以上レビューを書いておらず、先月11月はついに1本も上げることができなかった。上映会の準備で忙しかったというのはただの言い訳にすぎないが、いよいよ今週末、『タレンタイム~優しい歌』の上映会を開催する。 人種の坩堝であるマレーシアを舞台に描かれる本...

見つめるということ『わたしたち』

見つめるということ『わたしたち』

(C)2015 CJ E&M CORPORATION and ATO Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED ソンは内気で大人しい女の子。両親は共働きだが経済的には楽ではないようだ。弟の面倒も見てあげなければいけない。 しかし彼女にとって何よりも辛いこと、それは友だちがいないこと。というか...

ファイト!!『スルターン』

ファイト!!『スルターン』

https://www.amazon.com/Sultan-Salman-Anushka-Official-Special/dp/B01JIV76JO  スポーツ観戦における楽しみというのは、例えば、ひいきのチームや選手の活躍をみることでしょう。では感動まで至るのは何か、我々は知らず知らずのうちに選手やチームの立場に自...

詩について『パターソン』

詩について『パターソン』

すPhoto by MARY CYBULSKI(C)2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved. 2017年5月、アヤックスを下してEUリーグを制覇したマンチェスター・ユナイテッドの監督ジョゼ・モウリーニョの放った言葉。 “私にとって、チームが素晴らしかったというのもあるが、その根底にある...

普通の自由を求めることは限りなく狂気に近い『歓びのトスカーナ』

普通の自由を求めることは限りなく狂気に近い『歓びのトスカーナ』

(C) 2016 Lotus Productions, Manny Films, Rai Cinema 『テルマ&ルイーズ』への影響が強いイタリアのロードムービー。もし『テルマ&ルイーズ』のふたりが「男性からの自由」を求めているのであれば、この『歓びのトスカーナ』での主人公ふたりは「人としての自由」を求めている。ほとん...

人に話したくなるイタリア映画祭2017『ジュリアの世界』『夜よ、こんにちは』

人に話したくなるイタリア映画祭2017『ジュリアの世界』『夜よ、こんにちは』

イタリア映画祭2017、気軽な気持ちで行ったにもかかわらず、感情を揺さぶられ涙腺ゆるゆるでした。選んだ作品が琴線に触れたのか、5月という季節が感情的にさせたのかわからないけれど。 『ジュリアの世界』 「エホバの証人」信者一家の長女ジュリアが信仰や家族との関わり、恋愛を通して人生に向き合っていく物語。 自由があるからこそ...

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