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迷走から生まれる妙味『ザ・シャウト さまよえる幻響』

迷走から生まれる妙味『ザ・シャウト さまよえる幻響』

アイデア。 日々星の数ほどのアイデアが世界中で生み出され、カタチになることなく思考の深淵へと消えてゆく。多くのアイデアは当人にとって「最高!」のものである一方、それらが客観的に認められることは稀であり、アイデアが斬新であればあるほどそうした傾向は強くなる。 『ザ・シャウト』もまた、「叫びで人を殺せる」というよく言えば野...

ホークアイの歌『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』

ホークアイの歌『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』

俺には愛する妻子がいる、だから絶対に負けないぜ。 世界の危機に立ち向かう、人間様をなめるなよ。 確かに俺には弓しかないし、からだもそんなにデカくはない。 他と比べたら見劣りするけど、やるときゃやるぜ、やってやる。 狙った獲物は絶対しとめる、それが俺様のプライドだ。   「1」ではいきなり洗脳されて、脚本に文句...

生きるということの歌『トイレのピエタ』

生きるということの歌『トイレのピエタ』

(C)2015「トイレのピエタ」製作委員会 古びた木造アパートの、狭いトイレの一室で、壁に画を描く主人公。ひたすらハケを振りまわす。塗料を何度も塗っていく。右へ左へ天井へ。既に塗られたところにも、重ねて重ねて塗っていく。そんな作業を見ていると、何故だか感動してしまう。大げさでいて、恥ずかしく、突拍子もない考えだけど、ま...

脱獄映画の傑作『穴』

脱獄映画の傑作『穴』

「脱獄映画は名作ばかりだ」―私が尊敬してやまないK先輩のお言葉である。確かに、『抵抗』、『大脱走』、『暴力脱獄』…、どれも素晴らしい。ただ、そんな中、脱獄という行為自体の緊張感、その過程の困難さ、そして人間のしたたかなすがたを克明に記した映画は、今作をおいて他にないのではなかろうか? ジャック・ベッケル監督の遺作。『穴...

孤独に寄り添い続けるカメラ『ヴィオレット』

孤独に寄り添い続けるカメラ『ヴィオレット』

画像出典元:http://unifrance.jp/festival/2015/films/film08 『ヴィオレット』の主人公は、己のことを「醜い女」といって忌み嫌う。誰からも愛されない。必要とされない。それは自分が醜いから。激しい孤独の中、ひとり苦悩を続けていくすがたが印象的だった。 されど、私は彼女が一人ぼっち...

「一個の人間」の魅力『ヴェルヌイユ家の結婚狂想曲』

「一個の人間」の魅力『ヴェルヌイユ家の結婚狂想曲』

画像出典元:http://unifrance.jp/festival/2015/films/film02 近所から「多国籍家族」と揶揄さている主人公一家。主な登場人物は、フランス人夫妻。その長女とアラブ人の夫。次女とユダヤ人の夫。三女と中国人の夫。確かにそこには、多様な民族が混在している。 「俺は差別主義者ではない」と...

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