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ホラー

実在の中の不在『パーソナル・ショッパー』

実在の中の不在『パーソナル・ショッパー』

(C) 2016 CG Cinema, Vortex Sutra, Sirena Film, Deltafilm, Arte France Cinema アサイヤスの作品は初めて見たのだが、面白かった。サイコスリラーというジャンル映画でもありながら、モウリーン(クリステン・スチュワート)というひとりの人間としての存在を...

悪魔か?救世主か?『哭声』

悪魔か?救世主か?『哭声』

(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION 「信じる」ことは力強く、盲目的だ。 ある人にとっては悪魔のようでも信じる者にとっては救世主のように見える。 何が善で何が悪なのか、何が真実で何が嘘なのか、本当に知ることができるのか? 人間は自分の目で見たもの耳で聞いたものしか...

言わぬが花とは『エヴォリューション』

言わぬが花とは『エヴォリューション』

(c) Les Films du Worso, Noodles Production 足りないんだ、言葉がああああっ。 と、叫びたくなることは結構ある。特に仕事をめぐっての舌足らずは致命的で、例えばあるお客様から「あ、その辺はとら猫さんの団扇…じゃなかった、センスにお任せしますんで、ほんともう、好きなようなやっていただ...

ジャンルは「ホラー」『淵に立つ』 

ジャンルは「ホラー」『淵に立つ』 

(C)2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMA 映画の鑑賞後感はエンディングが明快であったり、明るく終わるとそれまで暗い内容でも良い気分になれたりする。逆に心がざわついたり、えーっ!?というような終わり方だと何か心に引っかかって素直に良かったと言えない場合がある。しかし作品に力があれば、むし...

ちょっと泣きそうでした(感動で)『高慢と偏見とゾンビ』

ちょっと泣きそうでした(感動で)『高慢と偏見とゾンビ』

(C)2016 PPZ Holdings, LLC いやもう絶対観ないタイプの映画と思ってた。タイトルに”ゾンビ”ってついてる時点で怖いでしょ。ゾンビ映画大嫌いだから。確かに、”高慢と偏見”は気になる。小説は未読だけど有名だからきっと面白いと思う。でもやっぱりゾンビ怖いし、B級っぽいからわざわざ映画館で観ることもないで...

ぬめってナンボの『X-コンタクト』

ぬめってナンボの『X-コンタクト』

(c) カルチュア・パブリッシャーズ CGに足りないものは何ぞや。 これを数え出したら十指に余るが、ことホラーという文脈では何を措いても「ぬめり感」ではないかなと私なんかは愚考する。 例えばかの名作『エイリアン』の主役たるビッグチャップの、ぬらっと黒光りする頭部。カーペンターの『遊星からの物体X』に登場するクリーチャー...

セールス対策としての『クリーピー 偽りの隣人』

セールス対策としての『クリーピー 偽りの隣人』

(c) 松竹、アスミック・エース ひとつ極めたいと思っていること。 それは電話であれ訪問であれ店頭であれ、セールスのうまいあしらい方だ。 王道はやはり「取り合わない」ことだと思うが、例えば最近の訪問セールスの中には子連れで現れる策士もいて油断がならない。子供の前ではにべもなく断れないはずという心理を突いた、狡猾な手であ...

破壊の不快、なぜか爽快。『ノック・ノック』

破壊の不快、なぜか爽快。『ノック・ノック』

(C)2014 Camp Grey Productions LLC 僕はホラーは大好きだが、過度なスプラッターは苦手である。 そういうわけで今までイーライ・ロスを避けてきたわけだが、断片的に得た事前情報を検分するに血の量は控え目っぽいなと当たりをつけて『ノック・ノック』を観に出かけた次第である。 結果、血はほとんど流れ...

マンネリだっていいじゃない『ザ・ハロウ/侵蝕』

マンネリだっていいじゃない『ザ・ハロウ/侵蝕』

お約束。 その魅力は何と言っても、期待を裏切らないことにある。 ホラー界隈の作品はピンからキリまでの幅がとてつもなく広く、期待を激しく裏切られることもしばしば。 もちろんその辺は織り込み済みで、平時なら例えばトレーラー詐欺みたいな駄作に引っかかっても、左手で猫を撫でながらヘラヘラ笑い飛ばせるが、これが例えば昼間、小銭が...

鑑賞後もついてきちゃうよ~『イット・フォローズ』

鑑賞後もついてきちゃうよ~『イット・フォローズ』

とら猫aka BadCatsさんもレビューしてくれましたが、僕も『イット・フォローズ』に大変感銘を受けたので、追随レビューさせていただきます。 まずは反省から。 僕は本作に興味を持つあまり、YouTubeで代表的な恐怖シーンをあらかた見てしまった。 なので、あんまし怖がれなかったです… 台無しである。 『イット・フォロ...

どうしてお腹が減るのかな『グリーン・インフェルノ』

どうしてお腹が減るのかな『グリーン・インフェルノ』

食うか、食われるか。 人間に限らず生き物はすべからく、他者の命を奪って生きている。生きるためには何かを殺すしかないわけで、食べるとは本来的に罪深い行為であると言えよう。 『グリーン・インフェルノ』で描かれるのは、未開のジャングルの奥地に暮らすヤハ族の心温まる食事風景だ。彼らはパンツ一丁で全身赤塗りという、試合そっちのけ...

この“それ”は感染るんです『イット・フォローズ』

この“それ”は感染るんです『イット・フォローズ』

人間が感じる恐怖は千差万別だ。 ナイフや銃を突き付けられるという物理的な恐怖に始まり、暗闇に対する漠然とした恐怖、仕事や恋人を失いたくないという現実的な恐怖。 『イット・フォローズ』で描かれるのは追われる恐怖だ。と言っても、ヤク中の借金取りや、般若心経を諳んじるモヒカン頭のパンクロッカーに追われるわけではない。それはそ...

蜂が大きくなってもいいじゃない『スタング』

蜂が大きくなってもいいじゃない『スタング』

大きいことはいいことだ。 『スタング』はそんなスローガンを地で行くような、蜂が巨大化して人間を殺しまくるというだけの映画だ。寓意性や哲学性は皆無。ゼロ。ナッシング。通信簿の所見欄に「落ち着きが足りません」と書かれそうな小学生が考えたとしか思えない、いかにも大雑把な理由から突然変異した巨大蜂たちが、都合よく寄せ集められた...

壮絶な顔芸合戦に震える『ババドック~暗闇の魔物~』

壮絶な顔芸合戦に震える『ババドック~暗闇の魔物~』

これはちょっとした掘り出し物だ。 『ババドック』が成功している最大の要因はキャスティング。子育てに疲弊し、徐々に精神を病んでいくシングルマザー、アメリア役のエシー・デイヴィスと、多動症気味な息子のサミュエルを演じたノア・ワイズマンの壮絶な“顔芸”の応酬がなければ、ここまで恐ろしく、厭な後味の残る作品には昇華しえなかった...

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