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仙台に未来の映画館を創る『館長日記』と『シネマレビュー』

サスペンス

ハリウッド級のおでこの輝き『暗闇にベルが鳴る』

『夕暮れにベルが鳴る』なんていう同じ都市伝説をモチーフにしたサスペンス映画もあったが、こちらでベルが鳴るのは暗闇。まあ、ホラー映画では結構色んな時間帯にベルが鳴るので、黒電話を据えつけてあるご家庭はなんどきも油断できない。

今回暗闇でリンリン鳴る電話を取るのは、かの名作『ロミオとジュリエット』で世の男性たちを骨抜きにした美人女優オリビア・ハッセー。我が国では布施明の元嫁として、当時で3億円というまさにハリウッド級の離婚慰謝料を要求したエピソードでも知られる。

そのせいだろうか、彼女の登場シーンではどうしても、あのおでこは幾らかけて磨いたものだろうとか、あのダサいセーターは彼女のセンスだろうかとか、殺人鬼との対決シーンでも事後のみが映されるのは、事故発生時の莫大な治療費に監督が怖気づいた結果だろうかとか、つい穿った見方をしてしまう。

80年代スラッシャーの源泉とも言われる本作だが、無名の若手女優が腰かけで出演することの多い同ジャンルには異質なキャスティングであり、残酷描写も控えめだ。

もっとも、無防備な若者たちが謎の殺人鬼によって創造的に殺され、最後に生き残った主演女優(ファイナルガールという)が意外な真犯人と対決するという展開は、確かにスラッシャー映画の典型である。

そういえば昨今のファイナルガールは肉食系のパワフル女子が務める傾向にあるが、オリビア・ハッセーくらい(外見上は)清楚な女優さんの方が、犯人の異常性や優位性が引き立てられ、最後の対決も盛り上がると思うのだが、やっぱり、その、ボディのボリューム的に物足りなくなってしまうのだろうか。

オリビア・ハッセーの中では黒歴史として封殺されているらしい曰くつきの作品ながら、ヒッチコック的なカメラワークも光る一級品のサスペンススリラーである。

『暗闇にベルが鳴る』
監督:ベンジャミン・クラーク
出演:オリビア・ハッセー
製作年:1974年
製作国:カナダ
上映時間:98分

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とら猫 aka BadCats
メジャー系からマイナー系まで幅広いジャンルの映画をこよなく愛する、猫。本サイトでは特にホラー映画の地位向上を旗印に、ニンゲンとの長い共存生活の末にマスターした秘技・肉球タイピングを駆使してレビューをしたためる。商業主義の荒波に斜め後ろから立ち向かう、草の根系インディー映画レーベル“BadCats”(第一弾『私はゴースト』)主宰。twitter@badcatsmovie

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