11:00仙台着。まずは何はともあれ南圀堂へ。今日はカレートリプルに初めて挑み大いに堪能。
店が満杯になったので油を売らずに辞去。地下鉄で勾当台駅まで行ってSENDAI COFFEEへ。前回訪問時は不在だったマスターと幸い会うことができ、久々に会話。持参した「ワイルドツアー」のパンフレットを熟読し、講座後の飲み会(あるものと決めてかかっている)で三宅唱監督に質問するネタをあれこれ考える。
時間に余裕をもって勾当台公園にほど近いいつもの会場へ。一番前の席に陣取ったら三宅唱監督から声をかけられ、え?1回ちょこっと挨拶しただけなのに憶えてくださってたんだと、かなり吃驚した。嬉しかったです。
お客さんは20人くらい。前回の濱口竜介監督の講座の時よりは少し少ない感じだが、同監督の時は会を追うごとにお客さんが増えて行ったそう(わたしが行ったのは最終回だった)。
さてさて、三宅唱監督映画講座「トニー・スコットとともに」いよいよ始まり始まり~
まずは、トニー・スコットとは関係なく、『許されざる者』のとあるシーンにおける、イーストウッド版と李相日版のリメイク版との比較。イーストウッド版のカメラ位置とカットの多さに驚いた。しかも夕景。パッパと撮らないとあっという間に陽が落ちてしまうだろう。イーストウッド自ら出演していることも考えるとまさに驚異の段取り力に瞠目した次第。飲み会(やっぱり開催された!)で三宅監督に教えてもらったが、イーストウッド作品に編集でずーっとついてるジョエル・コックスが現場に張り付いて、映画が成立するためのカットを指示して撮っていくらしい。でもそれだけだと(映画のために機械的に動かされているようで)役者も辛くなるから、やっぱイーストウッドの現場統括力も凄いと。
李相日版はこのシーンだけ観ても凡庸な出来だということが白日に晒された格好。が、問題の本質はそこではない。これも飲みの席で伺ったことだが、イーストウッドの「目を合わせて微笑む」を「目をそらす」に改編したことで、戦う(そして後戻りのきかない世界に足を踏み入れる)理由を、「女のため」から「自分との決着」にテーマをシフトしたと。つまり李相日版は、なんのためにリメイクしたのかをちゃんと考えたちゃんとした映画であることもこのシーンの「動き」「段取り」から読み取ることができるのだ…ひえー、映画監督ってそこまで考えてるんだーと呆然唖然。
てなわけで、本日のメインテーマは「動き」もしくは「段取り」。
以後、トニー・スコット監督作品『アンストッパブル』を随所に見ながらの講座をたっぷり堪能。急遽強行スケジュールで仙台までやって来た甲斐のあるめちゃくちゃ濃密な3時間だった。
飲み会はいつもの萬寿山。総勢8名で三宅監督を囲む。サービス精神満載の監督が場を盛り上げてくれて、時折腹を抱えて笑ったりして本当に楽しかったし、前述のように講座の補足もてんこ盛りで、講座と同じくらい濃密な時間だった。次回、次々回の講座のスケジュールもこの場で決定。もちろん行かせていただきますよ。
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