Toggle
秘密の行き着く先『マジカル・ガール』

秘密の行き着く先『マジカル・ガール』

(c)Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados 秘密。 はっきり言って、何の秘密も抱えずに生きている人なんていないだろう。普段はしがないサラリーマンが実は某国のスパイであったという大きな秘密から、外ではダンディに...

余白にずっぽりハマる『マジカル・ガール』

余白にずっぽりハマる『マジカル・ガール』

(c)Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados 『マジカル・ガール』の魅力は、切り口の設定のしかたによって様々な捉え方が可能な点であろう。 で、僕が設定した切り口は「愛」である。 なぜならば、本作の円環構造がそれ...

心の奥底がドクンと鼓舞されてしまった―『THE COCPIT』

心の奥底がドクンと鼓舞されてしまった―『THE COCPIT』

©http://cockpit-movie.com/ 「すいません」「すいません」 昔、口癖のように何かあるとつい謝ってしまう自分に対して、とある先輩が窘めてきたことがある。「やめなさい」と。 それは、作品全体としてはあまり関係のないことなのかもしれないけれども、今作『THE COCPIT』で描かれている主人公OMSB...

暗い部屋と一人の女優に見るパーソナルな時空『無伴奏』

暗い部屋と一人の女優に見るパーソナルな時空『無伴奏』

(C)2015 「無伴奏」製作委員会 ただ暗くて見づらい画面と、コントラストを抑えて薄暗さを積極的に表現しようとする違い。 すなわちローキーで徹底的に行こうという意思を感じる『無伴奏』は、「あの時代」の空気感をよく表している作品だ。 といっても僕は1967年生まれなので、1970年代初頭に急速に収束した学生運動の時代の...

鑑賞後もついてきちゃうよ~『イット・フォローズ』

鑑賞後もついてきちゃうよ~『イット・フォローズ』

とら猫aka BadCatsさんもレビューしてくれましたが、僕も『イット・フォローズ』に大変感銘を受けたので、追随レビューさせていただきます。 まずは反省から。 僕は本作に興味を持つあまり、YouTubeで代表的な恐怖シーンをあらかた見てしまった。 なので、あんまし怖がれなかったです… 台無しである。 『イット・フォロ...

自立した個が対峙する感動『キャロル』

自立した個が対峙する感動『キャロル』

人と対峙…しないよなぁ。自分。 人と向き合うことを避けて48年間生きて来ました。 しかしそのことを自分で自覚しているがゆえに、対峙する人間の神々しさをスクリーンに見て滂沱の涙を流すという比類なき感動を味わうことができたのかもしれない。 冒頭、カメラは長回しで本筋とは関係ない男を追う。 やがてリッツのラウンジに入った男の...

破滅の恐怖と快楽(?)『コズモポリス』

破滅の恐怖と快楽(?)『コズモポリス』

デヴィッド・クローネンバーグの近作に麻薬的にハマっている。 インテリと変態が絶妙に共存していて、端正な作風ながらグロい。 イヤだヤメて~と思いながらも暗黒面にひきずりこまれていく感覚に、なぜか忘れがたい感興を催されしまうのだ。 『コズモポリス』は、独特のリズムと陰影の濃い美しい映像がスタイリッシュだが、人物の内面へ内面...

イジワルな哲学『石の微笑』

イジワルな哲学『石の微笑』

主人公フィリップ(ブノワ・マジメル)は真面目を絵に描いたような好青年。 家庭内の瑣末ないざこざを諌めたり、母に対して不誠実な母の恋人に苛立ったりとなんだか気が休まらないけど、小さなリフォーム会社の営業マンとして気忙しいながらもマジメに働いている。 パっとしないがごく普通の生活を維持している。 しかし一方フィリップは、亡...

Return Top