今年は映画的に非常に充実した1年を過ごしましたが、劇場鑑賞という意味では後半急激に失速してしまったむにゃたろうです。。
なので、「うたたねむにゃたろう的ベスト10」は、ほぼ上半期(1〜6月)からの選出となりました。夏興行も秋の映画祭ラッシュも全然行けなかったけど(泣)それでも194本(短編含む)から2015年心に残る10本を記してみます!
第1位『ザ・トライブ』(ミロスラヴ・スラボシュピツキー)
今年一番の、唯一無二の衝撃をもたらしてくれた作品ということで。映画を観る原初的な喜びとは「未だ見たことのないものを観る」ということが一つあると思います。映画の多様さと可能性の地平を照らす、素晴らしい作品でした。
第2位『草原の実験』(アレクサンドル・コット)
衝撃という意味では本作も『ザ・トライブ』と並び、今年の双璧と言える1本。全篇音声言語なしという意味でも1位と通じるところがあります。描かれているものは全く違うけれども、そうした共通点から作品同士を結びつけられるのが映画観賞の面白味でもあると思います。初見は昨年のTIFFでしたが、今年改めて劇場で鑑賞して主演のエレーナ・アンさんに会えたこともよき思い出です。
第3位『花とアリス殺人事件』(岩井俊二)
鑑賞後にもっとも多幸感を感じた一本。実写のプリクエルをロトスコープでアニメ化するという胸熱企画もさることながら、ガール・ミーツ・ガールの青春コメディとしても無上のクオリティを放っていました。最高です。
第4位『真夏の夢』(松本花奈)
女子高生監督として最近は引っ張りだこの松本監督。ゆうばりファンタで出会った今作は、女性監督が作ったのにやたらとむさ苦しいところに惹かれます。ひと夏の邂逅が寓話的な語りによって演出されている点が見事。今年最も劇場でリピートしてしまいました。
第5位『ビッチハグ』(アンドレアス・エーマン)
第3位に続き、至高のガール・ミーツ・ガール・ムービーに出会ってしまいました。「少女が少女と出会う」もう映画はこれだけでいいんじゃない?あるいは「おっさんが少女と出会う」でも可。
第6位『海辺の暮らし』(加藤正顕)
PFFにて。オフビートでナンセンスなんだけど、シニカルなユーモアの中にきっちりとセンチメンタリズムが組み込まれているのがすごい。横文字ならべて意味不明なコメントだけど、観たら分かるから!
第7位『乃梨子の場合』(坂本礼)
今年一番の怪作。すげえもん観たなって。
第8位『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(中川龍太郎)
TIFF出品作、今年は一本しか見れず。。中川監督はこれまでの冗長な語りから作風が一転、じっくりと画で語る素晴らしい映像詩を魅せつけられた。そしてなんといっても主演の大賀に尽きる一本。
第9位『セッション』(デイミアン・チャゼル)
最高の胸クソ映画。バンド経験者としては、音楽の撮り方はまだまだ進化するのだと確信することができた作品です。
第10位『マッドマックス~怒りのデスロード~』(ジョージ・ミラー)
むにゃたろう的ラインナップとしては上記の中で異色だけど、やっぱり入れとこうかなと(笑)最初から最後まで一瞬も飽きない。映画に小難しい説明なんていらなかったんや!
2015年、映画はやはり「出会い」だなと感じた1年でありました。膨大な上映作品の中から何を観るか。上映期間や劇場の立地、他の作品との兼ね合い等、意外にも様々な要因に左右されるのが映画鑑賞だったりします。そんな巡り合わせの中から「観てよかった」「出会えてよかった」と鑑賞後に心から思えた10本を選びました。
1本でも多くそんな痺れる瞬間を味わえるよう、2016年もむにゃむにゃ励んでいきたいと思います!
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