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「昭和モダ子」が選ぶ2016年ベスト10

「昭和モダ子」が選ぶ2016年ベスト10

本年もよろしくお願いします。
私も2016年のベスト10を選んでみたいと思います!
実はわたくし、地方に住んでおりまして。2016年に映画館で見たけど
(うちの地方では初公開だけど)
必ずしも2016年公開のものとは限らない・・・ということがあります。
なので、いや、これちがうよ、と思われるものもあるかもですが、
私的には2016年の映画ですのでお許しを・・・。

では!

第10位 『光りの墓』(監督:アピチャッポン・ウィーラセクタン)
精神世界と物質世界がどちらも現実として生きている、タイのイサーン地方。
精霊信仰を主とする国の人々が、流入し続ける西洋の文化や思想をどう扱っていくか、哲学的な問いが感じられます。
タイの文化を体験したい方に。

第9位 『真珠のボタン』(監督:パトリシオ・グスマン)
水の記憶がチリの先住民の迫害やピノチェト政権の残酷さを物語ります。
美しい映像がまた心に迫る。
同監督「チリの闘い」が見たい!という意味も込めて。

第8位 『雨にゆれる女』(監督:半野喜弘)
音楽家が監督の作品。内容はありきたりですが、映像の美しさは絶品。
光の扱い方は音楽的と言ってもいいかもしれません。
半面、実際に使用される音楽は最小限。
沈黙とささやきに酔いしれたい方に。

第7位 『天国はまだ遠い』(監督:濱口竜介)
38分の短編。濱口監督は、超長編も短編もうまい。
自然に溜まってしまった、どうしようもない澱のようなもの。
それを登場人物が自らの力で昇華させていくのがすごいです。
知らない自分を引き出したい方に。

第6位 『オールディックフォギー/歯車にまどわされて』(監督:川口潤)
日本のインディーズバンド、オールディックフォギーのドキュメンタリー。
タクシーをモチーフとした劇中劇がとても良い。何はなくとも、いいよね、バンド!
バンドをやりたい方に。(ただし、バンドをやると金がなくなります。)

第5位 『何者』(監督:三浦大輔)
巧みで分かりやすい(そしてエグい)人物描写とミスリードさせない方向づけが面白さの理由かも。
若者こわい!
就職活動した方に。してない方にも。

第4位 『君の名は。』(監督:新海誠)
いろんな要素をふんだんに盛り込んで、しかも下品にならず、
地域を超えたあらゆる世代の共感を得る、稀有な作品。
人の善良さを信じる、優しさが光ります。ボーイミーツガール!

第3位 『オアシス:スーパーソニック』(監督:マット・ホワイトクロス)
言わずもがな、オアシスのドキュメンタリー!それだけでかっこいい!
人間的にはどうしようもないギャラガー兄弟。
しかし、ひとたび音楽を奏でれば、誰もが体を揺らす。
字幕で歌詞も味わえます。ほんといいよね、バンド!

第2位 『ハッピーアワー』(監督:濱口竜介)
他人の日常の裏側を覗き見ることこそ、最高のエンターテイメント!
上映時間5時間以上ありますが、退屈しない不思議。
老若男女問いませんが、特に女性に。

第1位 『この世界の片隅で』(監督:片渕須直)
すごくよかった!映画館でベショベショに泣いてしまって、恥ずかしかったです・・・。
教科書で知る悲惨さ、テレビで見る熱狂や妄信、裏話として語られる美談、
そのどれとも違う、庶民の日常にある戦争。
みんなに見てほしい!
割と分かりやすさを重視した2016年だったようです。
2017年も良い映画にたくさん出会えたらいいな。

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昭和モダ子
昭和モダ子
基本スタイルは、映画鑑賞=人間観察。人間の機微を描く映画が好きです。漫画、小説、音楽のことなんかも、映画とミックスしてお届けできたらと思っております。邦画とドキュメンタリーが頻繁に登場しますが、どうぞお付き合いくださいませね。
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