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ヒューマン

スピルバーグ監督が描き出す「星」が好き『オールウェイズ』

スピルバーグ監督が描き出す「星」が好き『オールウェイズ』

星を見ていると、なんであんなにワクワクしたり、癒されたりしてしまうのだろうか。

私はいつも、スピルバーグ監督が描き出す夜空、星空に心を奪われてしまう。とりわけ今作『オールウェイズ』の夜空は素晴らしく、いつまでも私の心の中に残っている。

それはクライマックス―ヒロインの人生の転機となるシーン。画面いっぱいに広がる星々の壮大な輝き。無数に散らばる圧倒的なまでの煌めき。

自分の想像を絶するものとか、未知のものとか、人知を超えた美しいものとかに触れると、沈んでいた気持ちがふっと晴れてしまうような、世の中には計り知れないことがまだまだたくさんあるんだから、今の場所から1歩2歩と進んでみようかな、なんて思ったりもしてしまう。

スピルバーグの伝記を読むと、彼は子供のころから「ここではないどこか」への憧れを強く抱いていたらしい。ユダヤ顔。学習障害。オタク趣味。彼には友達がいなくて、いじめられては星空ばかりを見ていたそうな。いつか辿りつく安住の地に想いを馳せて。いつか廻りあう仲間との温かな友情を胸に。励まされては、前へと進む。

暗い闇の中に光を照らしてくれる星々の輝き。それはまるで、行く先を灯してくれているかのような優しい輝き。

『オールウェイズ』は決して星がメインのお話ではないけれど、優しく包み込んでは背中を押してくれるような、思い出すたびに心があたたかくなるような、そんな素敵な映画なのである。

『オールウェイズ』
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、オードリー・ヘプバーン
製作:1989年
製作国:アメリカ
上映時間:123分

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大久保 渉
大久保 渉
ライター・編集者・映画宣伝。フリーで色々。執筆・編集「映画芸術」「ことばの映画館」「neoneo」「FILMAGA」ほか。東京ろう映画祭スタッフほか。邦画とインド映画を応援中。でも米も仏も何でも好き。BLANKEY JET CITYの『水色』が好き。桃と味噌汁が好き。
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