3月30日~31日と、仕事で京都に行っておりました。
一緒に仕事をした方々と東京への帰りの新幹線の車中でビールやら缶チューハイやらを飲んでいるうちに、前日から服用している風邪薬の影響もあってかいささか酔いがまわり、東京駅の地下街の居酒屋で飲んだ記憶にいたってはまったくございません。
地元の駅で電車を降りた時にハタと気付きました。
荷物が1個ない!
京都駅で買ったお土産袋なんですが、その中に財布を入れておったもんだからさあ大変。
………遡ること3日ほど前。
何の前触れもなく現金書留で6万円という大金が送られてきました。
その昔僕は「tsumazuki no ishi」という劇団に所属していまして、いろいろあって辞めたんですが(今はもうこの劇団は存続してないのかな?)、劇団員がみなビンボーで(演劇やってる人間はたいていビンボーですが)、唯一の勤め人でかつ脇が甘い僕は、みんなのチケットノルマを立て替えて小屋代やら照明や音響のスタッフさんへのギャラやらを払っておりました。
僕はこの劇団をどうしても辞めたかったので、100万にも及ぶ立替金の回収をチャラにして劇団を後にしました。
債権放棄の旨は全劇団員に告げていたのですが、その中の一人がなんとそれを返してきたのです。
劇団を辞めたのなんて20年も昔の話ですよ。
いや~、嬉しかったのなんの。世の中にはこういう仏様のような方がいるんですね。
で、その6万円を含む、約10万円ものお札を貯め込んだ財布を電車の中に置いて来てしまったわけなんです。京都土産の「おやきチョコ」と共に。
あー、我ながらダメすぎる。
ひとまず銀行のキャッシュカードやクレジットカードの使用停止の手続きに奔走。
といっても電話一本で手続きできちゃうんですが。
夜中の1時をまわってもオペレーターの方に繋がり、生身の人間の肉声とやりとりできるという事態には地獄に仏というか、心底安堵いたしました。
その過程で財布の中に入っていたクレジットカードを不正使用されたという事実を知り、改めて自分の間抜けぶりを呪ったものです。
おさまらぬ怒りはどうしても赤字から脱却できない上映会運営に向けられ、何もかも放り出したいという衝動が爆発してしまいましたが、一晩越して直面した現実を前に、そんなことはあっという間に意識の片隅に追いやられてしまいました。
4月1日・2日はちょうど土日で、銀行には行けないしキャッシュカードがないからお金をおろせず、クレジットカードは止められてるし現金もないから何も買えない。
ただひたすら家にいるしかなく、それでもお米の蓄えがあったので飢えはしのげました。
お金がないと何もできない、生きることすらできないという実感を味わった経験は貴重でしたね。
それはともかく、ひとまずお酒やめまーす。
上映会はもちろん続けますよ!
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