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青春

完全に埋もれてる気がするけどまちがいなく傑作「めぞん一刻」

完全に埋もれてる気がするけどまちがいなく傑作「めぞん一刻」


果たして実写版映画「めぞん一刻」をどれほどの人が意識化しているだろうか?
かくいう僕もこの作品の映像の一端を偶然見かけて「おお!」と思い、DISCASで取り寄せて鑑賞した次第。

「めぞん一刻」は、まさに「映画そのもの」だ。
映画のかぐわしい香りがいっぱいに詰まっていて、観ているだけで(むろん映画は観るものだが)幸せになれる。
まあ監督が澤井信一郎だから、凡作を撮るわけがない。

ちなみにストーリーはぶつ切れだ。突如ミュージカルが始まったりもする。
極めつけは響子さんと四谷さんのとある会話シーン。池の水面ギリギリに構えたカメラから二人の会話を遠景でえんえんワンショットで撮り、しかもそこに脈絡なく変な人形が出てきたりする(このシーンを僕は偶然見つけて「おお!」と思い、即レンタルに走りました)
一見、カルト風味を狙った安っぽい実験映画にも見えなくもない。

しかし原作のキャラクター設定を大幅にいじっているわけではない。
むしろ原作に忠実な配役だ。響子さん=石原真理子、五代くん=石黒賢、四谷さん=伊武雅刀、一ノ瀬さん=藤田弓子、こずえちゃん=河合美智子…完璧じゃね?

また、映画のオリジナルストーリーに書き直しているわけでもない。
でも描かれ方は上記に書いたようにかなり突飛。
じっさい、原作ファンからはかなり嫌われたらしい。
つまり、原作のテイストを忠実に再現した映画を期待するとおもしろくないのだ。

そうではなくて、「あのテイストが映画になるとこうなるんだ」という変化を通して映画を肌で感じること。まさに映画が立ち上がる様を目の当たりにする感動をこの作品は提供しているように思う。

…以上は僕の勝手な解釈。
でも、少なくともそのように映画に接する体質を身につけている自分を幸せに感じた時間ではあった。

「めぞん一刻」

監督:澤井信一郎
出演:石原真理子、石黒賢、伊武雅刀
製作国:日本
製作年:1986年
上映時間:97分

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館長
館長
夢は映画館!と人前で言うようになってから20年以上が過ぎました。 時間が経つのは早いものです。 2014年にこのサイトを立ち上げ、2015年から仙台で上映会を開催し始め、2018年からは東京でも上映会を始めました。映画関連のイベントやワークショップにもあちこち顔を出してますが、相変わらず映画館ができる気配はありません。ひとまず本サイトのレビュー、もっと一所懸命書きます。フォローよろしくお願いします。
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