
パリの公園のベンチで、魔術の本を読みながら足で魔法陣なぞを描いているジュリー。
そこに現れ、何やら怪しげな素振りを見せつつ身につけた小物を落として走り去るセリーヌ。
それをジュリーが追いかけ、「不思議の国のアリス」的逃走劇の始まり始まり~
しかしジュリーはなぜセリーヌを追いかけるのでしょうか?
モンマルトルの丘のケーブルカーに乗ったセリーヌをジュリーは階段を駆け上がって追いかけたりします。
理由はありません。きっと楽しいのでしょう。
全編にわたってとにかく二人は楽しそうです!
さらにワクワクするような不条理極まりない展開が待っており、3時間12分を映画は一気に駆け抜けます。
やがて二人の大冒険は終わりを告げるのですが、ラストで冒頭と同じ場面に戻ります。
ベンチにいるのはセリーヌ。そこに現れる不審人物はジュリー。
セリーヌがジュリーを追いかけ始めるところで映画は唐突に終わるのですが、映画は終わっても物語は終わらない。
役柄が入れ替わって同じ物語が続くわけです。
そしてまた冒頭に戻って役柄が入れ替わって…すなわち永遠に続く円環の物語。
これは終わらない夏休みのようではありませんか!
楽しい楽しい夏休み。永遠に終わらない夏休み。
憧れ続けているが決して手に入らない永遠を求めて、僕はまたこの映画を観るでしょう。
映画というものは、映画を観るという現在進行形の中にしか存在しません。
こうやって駄文を書くことは、再び映画を観るという現場に立ち戻るための契機に過ぎない。
すなわちもう一回この映画を観なさいという勧誘に他なりません。
というわけでみなさん「セリーヌとジュリーは舟でゆく」をぜひ観てください。
3時間の長尺で全く退屈を感じないという、とんでもない作品です。
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』
監督:ジャック・リヴェット
出演:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ
製作:1974年
製作国:フランス
上映時間:192分


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