なんと!濱口竜介監督の映画演出についての講義が聴けるということで、仙台までやって来た。翌日には再び東京に舞い戻るので、ほとんどこの講義を聴くためだけに来たようなものである。
仙台に着いてから講義が始まるまでに少し間があったので、高校の同級生が営む名店『南國堂』に顔を出す。ここの店には毎回上映会のチラシを置かしてもらってたし、カレーのドキュメンタリー『聖者たちの食卓』を上映した第1回目の上映会ではその同級生にノーギャラでトークショーに登壇してもらった恩義がある。まあ、ここの南インドカレーは絶品の一言に尽きるので、ここに来るのが単純に楽しみだったりするのだが。
本日も満足の一品を心ゆくまで楽しみ、講義の会場に向かう。
会場はぎっしりとお客さんで埋まっており、やはり『寝ても覚めても』のカンヌ出品効果は大きいんだなと感じた。ただ、かの名作『ハッピーアワー』は仙台で劇場公開されていないんですって。本日の主催者の菅原さんが1日限りの自主上映をやっただけだそう。ちょっと仙台の興行事情の寂しい面も垣間見られちゃうんだけど、それだけに菅原さんの活動は意義深い。長年の仙台短編映画祭の運営を通じて培った映画監督たちとの人脈がこういった活動を支えているわけで、やはり大事なのは「人」ですね。
さてさてお楽しみの講義だが、これがもう大充実の内容だった。
課題作として、小津の『晩春』、溝口の『近松物語』、黒沢の『CURE』が与えられており、それを予め観た上での講義。なので、予定の3時間を30分以上超過した長丁場をまったくダレることなく聴けた。
おまけに、ルノワールの『ジャン・ルノワールの演技指導』、カサヴェテスの『ハズバンズ』も引き合いに出され、両作とも過去に観ていたのでぐいぐい食いついて聴けました。おもしろかったです!
講義終了後は、監督、主催者のみなさん、わたしを含むお客さん何人かで飲みに行く。
オフィシャルな場では聞けないくだけた話がめいっぱい聞けて、それが2次会まであってお腹いっぱい。1泊2日の強行軍で仙台に来た甲斐があったというものです。
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