上映会のトークショーの下準備のため、南米の歴史についてお勉強。(900ページ超の「チリの歴史~」は諦めました^^;)
ヨーロッパ人によるアメリカ、アジア、オーストラリア、アフリカなどへの「侵略」。それに伴う「収奪」「虐殺」…
実に実に許しがたい。
しかしこれらの行為を俯瞰的に眺めると、経済が絡んで人間が大移動を始めるとえてしてこういうとも起こりうるものだと捉えることができる。
しかも歴史的に見ればこういうことは繰り返し起こっていることがわかる。
すなわちこれは人間の性というか業のようなものなのかもしれない。
だから人道的見地から、しかも現在の価値基準でかつてのヨーロッパ人の人でなし行為を批判しても何の意味もない。
一方、歴史的俯瞰的に冷静に分析しているだけではいまを生きる感覚が見えてこない。
『真珠のボタン』『光のノスタルジア』では、スペイン人やピノチェトの蛮行を糾弾するわけではなく起こったことを淡々と描いていて、だからこそ深い悲しみを味わうことになるわけだが、同時に微かな希望も垣間見えるところが素晴らしい。
そういうところが映画のいいところだと思う。
上映会に来てくれた方々がこれら2作品に触れたことを機にいろんなことを考えてくれたら嬉しいと思うし、上映会直後のトークショーや交流会ではそんな思いを交錯させていきたいと考えてるし、そういう一連の行動に意味がある。
そうやって多くの方と映画の多面的な価値を分かち合っていきたい。
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館長
夢は映画館!と人前で言うようになってから20年以上が過ぎました。
時間が経つのは早いものです。
2014年にこのサイトを立ち上げ、2015年から仙台で上映会を開催し始め、2018年からは東京でも上映会を始めました。映画関連のイベントやワークショップにもあちこち顔を出してますが、相変わらず映画館ができる気配はありません。ひとまず本サイトのレビュー、もっと一所懸命書きます。フォローよろしくお願いします。

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