(C)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会
9月7日
『時をかける少女』
監督:大林宣彦(1983年)
DVDにて鑑賞
なぜか急に無性に大林宣彦作品が観たくなり、『廃市』とともにレンタル。
この作品が劇場公開された頃わたしは高校生でしたが、もし劇場に足を運んでいたら、尾道の風景(が映画に撮りこまれていること)に一発で虜になったことでしょう。同時に、エンドロールでむっくり起き上がって歌い始める原田知世に(リアリティ無視とかなんとか言って)激怒したことでしょう。幸か不幸か本作を公開当時観ませんでしたし今まで観る機会もありませんでしたが、今観ると、おしなべてそれなりによい、とマイルドに受け止める感じです。
9月8日
『廃市』
監督:大林宣彦(1984年)
DVDにて鑑賞
柳川の風景いいですね。大昔にTVで放映していたのをたまたま観たことがありますけど、画は割とはっきり憶えていました。
一方、福永武彦の原作も読んでいるのですが、こちらの筋は大概忘れていました。
インテリ大学生の都会人が抱く田舎に対する幻想は、地元勢の「生きていながら死んだような町」という言葉で意に介されることもないのですが、それでも風景は美しいし、素人歌舞伎を小舟に乗りながら鑑賞したりして、画が豊かなのがいいですね。
これが今の地方で描かれると、出てくる風景はコンビニやらTSYTAYAやらスターバックスやらショッピングモールやらと、ただ単に殺伐とした画になってシャレになりません。
9月10日
『MEG ザ・モンスター』
監督:ジョン・タートルトーブ(2018年)
@丸の内ピカデリー
何から何までくだらないですね。くだらないですけど別におもしろくもないです。
サメ映画なんだから人間がバックバック食われりゃまだ気が晴れるってもんですが、クジラが犠牲(しかも3頭も!)になっているのが気に食わない。
巨大ザメがせっかく人がうじゃうじゃいるビーチに向かったのにも関わらず、数人つまみ食いしただけで沖合にUターン。超人ジェイソン・ステイサムとの一騎打ちに!アホか!!
オフィシャル・サイト
9月11日
『寝ても覚めても』
監督:濱口竜介(2018年)
@ヒューマントラストシネマ有楽町
タイトルは「朝子」でもいい(もちろん『寝ても覚めても』の方がいいけど)。これは朝子の映画だ。朝子が「朝子の本当」に誠実に向き合う様を写し取ったドキュメントと言ってもいい。演ずる唐田えりかはほぼ演技をしていない。役そのものに限りなく接近している。そういう演出を施した濱口竜介監督が恐ろしい。
東出昌大が一人二役で演じた、顔がそっくりな二人は、元は一人の人間なのかもしれない。自由人キャラはその自由度において、誠実な青年キャラはその誠実さの徹底において、それぞれ「ありえない」。そんな極端な二人の間を往復しながら、朝子が本当の朝子になっていく様が描かれる。原作があるとはいえ、ものすごい構造だ。つくづく恐ろしい映画だ。
オフィシャル・サイト
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