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「とら猫 aka BadCats」が選ぶ2016年上半期ベスト5

「とら猫 aka BadCats」が選ぶ2016年上半期ベスト5

そういうわけで今年もはや半分が経過しました。

歳を取るほど時間の流れを早く感じる現象の理由については諸説あり、いまだ科学的には証明できていないようですが、いや、ほんと、ここんとこ時間の流れがめっちゃ早く感じます。今の半年なんて、子供の頃の1週間くらい…は言い過ぎかもしれないけど、そんくらいあっという間に時間が流れていく気がします。

なんで映画ももっと観ないと。てなわけで、とら猫さんの本年度上半期ベスト5です。

第5位『コップ・カー』
なんと言ってもケヴィン・ベーコン。製作総指揮も務めた本作では心の芯まで腐ってるのに、妙に人間味のある悪徳保安官を熱演。紐を使って車の鍵を開けようとするシーンで抱腹絶倒できる人とは、すぐに友達になれそうな気がします。

第4位『白鯨との戦い』
王道まっしぐらのエンタメ作品を撮らせたら、やはりロン・ハワードはいまだ超一流。映画館で観てこそ楽しめる本作、最近こういう映画らしい映画を撮る監督って減りましたよね。払ったぶんだけ確実に楽しませてくれる、まさにプロフェッショナルの仕事。

第3位『ルーム』
前半のサスペンスフルな展開はホラー好きでも満足のいくもの。そしてがらっと雰囲気の変わる後半への橋渡しとなるシーンの空の青さが印象的。あれはそう、幼い頃に見上げた空の色。世界はこんなに広いんだと初めて感じたときの、今はもう埋もれてしまっている記憶を呼び覚ましてくれるステキな一本。

第2位『ドリームホーム 99%を操る男たち 』
住宅ローンを支払う身としては、どんなホラー映画よりも地肌に恐怖が伝わってくる社会派サスペンスの秀作。ラストでマイケル・シャノンが吐く台詞が印象的。カネもうけって何なんだろう。資本主義って何なんだろう。システムって何なんだろう。すべてを観終えたあと、色んな思いが去来する。そしてひとまず、まじめに働こうと。

第1位『スタング』
やっぱりこれ。でっかい蜂が暴れ回るだけの、鬱を吹っ飛ばすには最高の作品。バイオリズムが落ち込んでいる方は今すぐ観よう。我らがランス・ヘンリクセン翁も例によって、自分のキャリアを踏み台にした男らしいメタジョークで笑わせてくれる。巨大蜂の造形も素晴らしい。フィギュアがあれば即買いしそう。海外版のポスターも上質なアートのようでイカす。

番外『私はゴースト』
手前みそで何ですが、とら猫 aka BadCatsさんが発掘した本作も一応2016年度劇場公開作品なので、この中に入れておいてつかあさい。幽霊視点から除霊を描いたクールなホラー。油断してるとちびります。

(c) Rat Pack Filmproduktion, XYZ Films

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とら猫 aka BadCats
メジャー系からマイナー系まで幅広いジャンルの映画をこよなく愛する、猫。本サイトでは特にホラー映画の地位向上を旗印に、ニンゲンとの長い共存生活の末にマスターした秘技・肉球タイピングを駆使してレビューをしたためる。商業主義の荒波に斜め後ろから立ち向かう、草の根系インディー映画レーベル“BadCats”(第一弾『私はゴースト』)主宰。twitter@badcatsmovie
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